南画デジタルミュージアムとは

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守口市現代南画美術館について

 守口市現代南画美術館(以下「美術館」という。)は、平成8年(1996年)2月に開館した現代南画を専門に所蔵・展示する日本で唯一の美術館でした。

 美術館は、矢野橋村の弟子で日本南画院の会長・理事長を歴任し、本市名誉市民でもある故直原玉青画伯(1904~2005年)より「創造性をはぐくみ文化に親しむまちづくりに役立つのであれば、日本南画院としても協力させてもらいたい」と南画界の第一線で活躍する作家諸氏から優れた作品の寄贈を多く受けて開館しました。

 季節に応じた、様々な展覧会を開催し、東洋の伝統を踏まえた現代的な南画「水墨・墨彩画」の美のすがたを市民をはじめとする全国の美術を愛する方に紹介を続けていました。

 また、多くの美術ファンにご来館いただき、身近な美術館として親しんでいただくことを目的に期間を定めて南画以外のジャンルの企画展も開催するとともに展示室をギャラリーとして使用していただくよう市民等にも貸出も行っていました。

 一方、平成19年に策定した(仮称)守口市財政健全化計画において、公共施設の必要性、効率性を再検証し、施設の再編、廃止又は統合を図る方針を打ち出したことに伴い、平成21年度から美術館を一時休館し、美術館のあり方を検討しました。

 その結果、平成23年7月からは美術館の有効活用と利用促進を図るため、再オープンし、展示室を文化交流の場として広く南画以外の特別展などの開催や市民ギャラリーとしても貸出を行ってきましたが、美術館の利用状況の改善が見込まれず、施設の老朽化も進んでいることから、美術館を単独で運営していくことが困難な状況となり、平成25年3月に教育委員会が策定した社会教育関係施設更新の基本方針において、美術館の廃止が決定し平成25年に閉館しました。

南画デジタルミュージアムって?

 平成25年に閉館した守口市現代南画美術館に所蔵されていた作品は、現在、守口市立図書館に保管されています。

 作品は、守口市役所庁舎の廊下に定期的に展示し、市民の皆さまに南画に親しんでいただいていますが、展示できる数に限りがあるため、多くの作品を身近に感じていただけるよう、作品をホームページで公開します。

 作品は順次公開される予定ですので、絵画とは違う現代南画の世界をお楽しみください。

現代南画とは何か ―その歴史と特色―

 東洋の絵画は、その表現から大きく二つに分けることができます。一つは、専門家が描く技巧的な絵―北宗画(ほくしゅうが)、そしてもう一つが、絵の専門家ではない、教養ある士大夫が余技として描くもの―南宗画(なんしゅうが)です。北宗画が、中国歴代の王朝に仕えた専門的な技術を持つ画家たちによる、実物に則した美しい色彩を伴う作風に特徴があるのとは対照的に、南宗画は水墨を基調とした、一見素朴な作風に特徴があります。しかし、東洋独自の感性は、西洋の絵画にはついに現れなかった美学にもとづく南宗画にこそ存在すると言ってよいでしょう。

 南宗画の真髄は、「写意」にあります。写意とは、「写生」の対義語で、対象の形を目に映ったままに描くのではなく、画家の精神や対象の本質を表現することです。山を表現するとき、その形をそのままに描かず、その雄大さや気高さを表現しようとすることが、その大きな特徴です。

 南宗画のもう一つの大きな特徴は、表現者である士大夫たちがその教養を発揮して加える漢詩です。絵を描こうとする原動力となった想いを表現者が漢詩として書き加え、鑑賞者はそれを読むことによってその気持ちを受け取るのです。中国の支配階級である士大夫たちが、いずれも詩文に親しむ文人であったことから、南宗画は「文人画」とも呼ばれています。

 このような南宗画の思想や表現は、中国から日本にもたらされ、江戸時代の中頃から広く行われるようになりました。しかし、日本においては中国と同様の士大夫と呼べるような層は厳密にはいなかったため、南宗画ではなく「南画」という名が用いられるようになって現在に至っています。

 南画は、近代以降、日本において独自の発展を遂げました。理解の困難な漢詩に頼らずとも表現者の想いを伝えられるよう、西洋絵画の遠近法や、それまでには見られなかった横長の大画面などを取り入れ、水墨を基調としながら色彩も用いるようになったのです。新たな南画――「現代南画」はその延長線上にあるもの。日本南画院の作家たちは、今も南画の精神を受け継ぎながら制作を続けています。

守口と現代南画 ―名誉市民・直原玉青との関係―

守口市は、大正10年(1921年)に田近竹邨(1864年~1922年)らによって結成されて以来、戦中戦後の中断を経つつも、小室翠雲(1874年~1945年)や松林桂月(1876年~1963年)や矢野橋村(1890年~1965年)ら、日本近代を代表する南画家の主導によって、世に優れた作品を送り続けてきた日本最大の水墨画団体である社団法人日本南画院と深い縁で結ばれています。その契機となったのは、橋村の弟子でその没後に日本南画院の会長・理事長を歴任した直原玉青(1904年~2005年)が守口市在住であったことでした。

この縁によって、守口市は南画院所属の多くの作家諸氏からの作品寄贈を受け、平成8年には西三荘の地に「守口市現代南画美術館」が開館することとなりました。平成25年の閉館以降も、毎年、日本南画院主催「日本南画院展」で展示された作品の中から代表作(新作)を借用し、「日本南画院大作展」を開催するなど、現代南画の魅力発信に努めています。

作品のダウンロードについて

 ホームページに掲載している作品は守口市の所蔵作品です。ご使用される際(書籍や新聞・雑誌などの冊子、インターネットサイトへの掲載等)は申請が必要となりますので、申請書にご記入の上、生涯学習・スポーツ振興課までご提出ください。

 営利目的等でのご使用はご遠慮ください。

 ご不明な点やご質問がございましたら、生涯学習・スポーツ振興課にお問い合わせください。

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生涯学習・スポーツ振興課

守口市京阪本通2-5-5

06-6995-3158

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