令和2年度 予算編成方針

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現下の我が国の経済情勢は、輸出を中心に弱含みが続いているものの、緩やかに回復している。先行きには、当面弱さが残るものの、雇用・所得環境の改善が続くなかで、各種政策の効果もあって、緩やかな回復が続くことが期待されるが、通商問題や中東情勢を巡る緊張が世界経済や原油価格上昇に影響を与えることなどが懸念される。

国は、「経済財政運営と改革の基本方針2019」において、「Society5.0」の実現を加速させるため、成長戦略実行計画をはじめとする成長力の強化、人づくり革命、働き方改革、所得向上策の推進などに取り組むこととした。具体的には、デジタル市場のルール整備や5G環境の整備、また、幼児教育・保育の無償化と併せて保育の受け皿整備を着実に実施し、女性就業率の向上を図るなど、年齢にかかわらず誰もが活躍できる社会の構築を目指すこととした。

本市においては、徹底した行財政改革と政策創造により、国に先駆け平成29年度より0歳から5歳児の幼児教育・保育の無償化を実現するなど、「新しい世代に希望を託せるまち」に向けた取組を精力的に進めた結果、義務教育就学前と20歳代の人口に増加傾向がみられた。併せて保育の受け皿整備を懸命に実施したことにより、平成31年度当初には厚生労働省基準で待機児童ゼロを達成し、子育て世代の一層の安心につなげた。

他方、本市の財政状況は、平成30年度の一般会計決算見込みにおいて実質収支が約9億3千万円の黒字となり、10年連続の黒字を達成した。財政の健全性はしっかり確保しているものの、財政構造の硬直度を示す経常収支比率は、生活保護を中心とする扶助費の負担割合が大きいこともあり、100.5%となっている。財政の弾力性確保が急務である。加えて、中長期的には本市の財政構造は市税を中心とした自主財源の大幅な増加が期待できない中、かつて豊富な財源を活用して整備し、現在、その老朽化が進む道路、上下水道などの社会資本や公共施設の維持及び更新経費の増嵩が見込まれる。また、高齢化の進展に伴う医療、介護等の社会保障経費の増加も不可避である。現状に甘んじていたのでは、近い将来必ずやより厳しい財政運営を余儀なくされる。

このような情勢を踏まえ、令和2年度においては、市民福祉の更なる向上を図るため、「(改訂版)もりぐち改革ビジョン」(案)に基づき、行財政改革を一層推進する。また、予算編成作業を通じて、徹底してムダを省くとともに事業効果が薄れた事務事業は大胆に見直し、限られた財源の選択と集中を徹底する。その成果=財源をもって「都市環境」、「教育・子育て・福祉」及び「市民協働」のレベルアップと現下の行政課題解決につながる「政策創造」を実現し、市民サービスの充実を図っていく。

したがって、令和2年度当初予算編成にあたっては、全部局長が、限られた財源(税)で今、市民のためになすべき行政サービスは何かとの定見を持ち、その実現のための手法確立を含めた「経営感覚」を有した部局マネジメントを行われたい。また、その際には、この間の業務運営上の教訓も踏まえ、EBPM(エビデンス・ベースド・ポリシーメイキング。証拠に基づく政策立案)の意識を、全部局長はもとより全職員に浸透させ、予算編成を始めとする全ての業務に反映すること。

予算要求に際しての細部は、別途「予算編成要領」を所管部長から発出させるが、歳入面では市税、保険料等の徴収率の更なる向上や公有財産の有効活用などにより財源確保に努めること。歳出では事務事業評価などを踏まえ、市単独事業はゼロリセットにより、事業成果の確認や執行方法の改善を図った上で予算要求をすること。

また、特別会計はもとより一部事務組合、広域連合への負担金等についてもその原資は全て市民の税金であることから、費用負担を行う市として精査を行うとともに、当該団体等に自らの経費削減を厳しく求めていくこと。出資法人改革は現在スピード感をもって実行中だが、引き続き残る法人についても市の関与の在り方について、聖域無き改革を行った上で予算要求すること。

最後に、次年度は令和の時代における最初の予算編成となる。平成の時代を振り返ると、社会、経済、自然災害などにおいて、世界でも類を見ない事象が多く生じるなど、本市を含む地方公共団体を取り巻く環境は非常に厳しいものであった。これらの教訓を生かし、更に変化が激しくなるであろう新たな時代において、将来にわたって市民福祉の向上を果たしうる礎の予算としたい。そのためには、全ての職員が、前例踏襲、旧態依然の発想による予算要求、事務事業執行に固執することなく、現在に加え将来の守口のまちと市民のためになる行政、市民サービスを行えるよう、現状の打破と変革への果敢な挑戦の姿勢を強く求めたい。そして、そうした挑戦をEBPM、すなわちしっかりとした根拠、データに基づいて、少数精鋭組織により遂行できるよう、働き方改革や今秋導入するRPAの活用などを踏まえた業務効率化及び事務改善に向けた取組についても断行していく。

市長

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