守口市タウンミーティング(市長発意型)

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守口市タウンミーティング(市長発意型) 会議録(要旨)

  • 開催日時
    平成22年8月28日(土曜日)10時30分~12時
  • 会場
    中央公民館 5階
  • テーマ
    守口市の現状について~財政状況~
     参加者:59名
     発言者:6名
守口市タウンミーティングと書かれたホワイトボードの横で男性がマイクを持ち左手をあげている写真
守口市タウンミーティングと書かれたホワイトボードの前の長机に関係者の方々が並び、話を聞いている参加者を後方から写した写真

市長説明(要旨)

「過去の守口市」

 高度成長期は、松下・三洋などの企業から多額(最高72億円)の法人市民税が歳入として入ってきていたが、現在は約14億円である。守口市は、大阪市と隣接しており、交通の便もよいので人口が急増し、ピーク時18万8千人、人口密度は日本一だった。

 人口20万人になることを想定し、小・中学校、幼稚園、保育所などの施設をたくさん作った。守口市は、下水道普及率100%、公民館の数など、施設整備は北河内でも一番である。

 これらの施設は、今となっては市の重い荷物となっている。今の守口市は、体重70キログラムの人間が300キログラムの荷物を背負って歩いているようなもので、荷物の整理が必要である。

 バブル崩壊後、どの市町村も財政に苦しんでいる。施設増による職員の大量採用に伴う人件費増、団塊の世代の大量退職に伴う莫大な退職金の支出、税収はどんどん減少するのに、経常経費の支出はもうどこも削れない。国自体も赤字国債を発行しないと予算が組めない状態である。行政は、今までのように予算を使いきるのではなく、いかに残して活性化に役立てるかといった民間企業的発想への転換が必要である。

 市長就任時の平成19年度は、一般会計の累積赤字が39億6千万円だった。 同時期に、特別会計で抱えてきた赤字が一般会計にまで及び北海道夕張市が破たんしたことで、平成19年6月に「地方公共団体の財政の健全化に関する法律」が公布された。これにより、一般会計に特別会計を含めた連結決算でも地方財政状況が判断されることになった。

 これは、平成20年度決算から本格的に適用されたが、平成19年度決算状況を当てはめてみると、大阪府下では、守口市、泉佐野市、泉大津市がイエローカードである早期健全化団体に該当し、レッドカードである再生団体に近い状態であることが報道された。

 もし、市が財政破たんをすればどうなるか。国の管理下で財政再建を進めることになり、市は一切自由に行政が実施できなくなる。市民の負担は増加し、守口市が独自のまちづくりを進めるための支出は一切できず、道路や施設のほんの少しの修理ですら国の許可が無いとできなくなる。何年か経って財政再建の見通しがたてば、市にバトンタッチする。その間、市は死んだ状態である。このような状況にならないために、今、市は職員・市議会が一丸となって頑張っている。

「現在の守口市」

 守口市では、(仮称)守口市財政健全化計画(素案)に基づき、財政健全化に向けて取り組んでいる。基金からの繰入、未利用地の売却、平成19〜21年度にピークを迎えた団塊の世代の退職金については、退職債を発行し平成23年よりローンで返済予定である。人件費の削減については、職員数の減、特別職給与は15%カット、職員は5%カット、ボーナスカットをしている。市民ニーズに合った事業を行うため、平成20年度から、個々の事業の一からの見直しを行っており、歳入を確保する努力をしている。

 市長就任後、一貫して強調しているのが職員の意識改革である。従来は、公務員は30〜40年来の事業をそのまま継続して実施していたが、事業をよく精査し、不要な事業を削除して、時代のニーズに合わせた事業を実施していく必要がある。

 旧土居小学校や旧藤田中学校の売却も試みているが、不況のため思うような価格では売れない。市民の財産であるので、景気の動向も見て、適正価格での売却を目指したい。

 平成21年度決算見込みでは、数値的には、ようやく40億円近い累積赤字がゼロになる。4億3千万円の実質黒字となるが、依然として基金からの繰入が30億円程度あり、ローンで返済していくため、財政状況は今後も非常に厳しい。

 平成22年度は、人件費の一層の削減、市民ニーズに合わせて、施設(公民館、ムーブ21、文化センター、市民会館、南画美術館など)のあり方の見直しをゼロベースから行う。その結果に基づいて、平成23年度は施設の廃止変更などを行っていきたいと考えており、承認をもらえるよう議会に諮っていく。

 市長就任直後は、真っ暗闇だったが、現在はトンネルの向こうにようやく明かりが見えてきた。今後も、財政健全化を着実に計画的に進めていく。財政再建ばかりで、市民に何ひとつ還元できないのは申し訳ないが、平成23年度以降は、市の発展のために、市民ニーズに合わせた事業を少しずつ実施していきたいと思う。

 市長着任後3年間で、税収は約15億円減少したが、「地方公共団体の財政の健全化に関する法律」によれば、市の財政は今のところ数値的にはクリアできている。

 特別会計で一番苦しいのが、国民健康保険事業である。現在、国民健康保険事業は約40億円の赤字を抱えており、単年度収支の均衡に取り組んでいるが、その道のりは極めて厳しい。国民健康保険事業は、都道府県か国が行うべきであり、制度を変えてもらいたいと考えている。一般会計からの繰入で特別会計の赤字を解消するのは、道理的におかしい。

 国民健康保険の運営は、市民の皆さんの保険料と国からの補助金でまかなっている。守口市の高額な保険料の原因の一端は、医療費の自然増と経済情勢の悪化による保険料の滞納者の増加などで、ますます保険財政は厳しさが増す。

 市の歳出の中では、扶助費(生活保護費、老人福祉費、児童福祉費等)の割合が高い。生活保護受給者の数は、府下4位で、年間86億円の支出をしている。ただし、国が4分の3を負担し、市は4分の1の21億円を負担している。国も府も市町村に権限移譲をするが、交付税などの財源は減らされているために、市町村の負担が増し、地方にしわ寄せがきている。例えば、子ども手当は国が全額負担すべきである。

 議会から指摘を受け、説明が誤解を招くことになっていることから補足いたします。
 本来、国民健康保険事業については、単独で収支均衡を図るものでありますが、累積赤字が多大なため平成20年度から2億円の繰入を行っています。
 また、施設のあり方については、十分な議論を尽くし検討してまいります。

「未来の守口市」

 夢と希望が持てる、元気で明るい守口市にしていきたい。守口市の未来像としては、子どもたちが学び育つ街、教育が充実した街、人が喜び寄りあう街、安全で住みやすい街などである。関西州構想があるが、実現すれば、守口市は交通至便の立地を活かして関西州の「へそ」になる。その結果、人が集い、産業が活性化する。

守口市の立地は、山や海がなく、平地であるが、自然と親しめる街づくりのため、鶴見緑地、西三荘ゆとり道、淀川河川敷を活用したい。例えば、西三荘ゆとり道を鶴見緑地から淀川河川敷までつなげば、水と自然に親しめる環境づくりが可能であると考える。

淀川河川敷の活用としては、例えば、河川敷にヘリポートを作れば、病気や災害などの緊急時に役立つし、淀川に船着き場を設ければ、守口市と水都大阪をつなぐことができ、観光に活かせる。今は、毛馬の閘門が難所であるが、そこをクリアできれば、守口市から大阪市内に入っていける水路ができる。

保険課の補足説明

 国民健康保険制度は、医療保険のセーフティーネットの役割を果たしていることから、他の医療保険に加入していない人が、国保に加入することとなっています。
 従って、国保加入者の内、無職者の占める割合が4割強となっており、その構造上、国保財政は恒常的に逼迫した状態にあると言えます。
 そこで、市町村単位での国保の財政運営は限界に来ており、現在、まずは都道府県単位をくくりとする広域化の議論が、国や都道府県でされています。一般会計からの財政支援については、国保事業が保険料と国庫負担等の特定の収入で、保険給付である特定の支出に充てられることから、独立した会計となっているものであり、その観点からすると何でもかんでも、一般会計から支援するというのは、制度の趣旨からおかしいものであると言えます。
 また、他の医療保険に加入されている方々は、その医療保険での保険料を負担し、税を納めておられることから、その十分な説明もできる形での財政支援を検討することが必要であると考えられます。保険料が高くなるのは、高齢化が進み医療費が増加していく一方で、経済・雇用情勢の悪化から、市民の所得が年々下降しており、必要な保険料の確保と医療費の負担との乖離が年々大きくなっているからです。
 また、生活保護の方については、国の負担と市民の税金で賄われているものですので、国民健康保険とは切り離して考えていただきますようお願いします。

退職者数、退職金、ムーブ21等の施設の見直し、市長及び職員の給与の見直し、タウンミーティングについて

発言

 今年度の退職者は何人位になるのか。

回答

 平成20年度で92人、平成21年度で111人、平成22年度は80人の予定です。

発言

 それに対して、退職金の用意はできているのか。

回答

 平成20年度から、退職手当債を10年間で約16億7千万円借り入れし、平成21年度では、23億円余りを借り入れしています。

発言

 守口市には、ムーブ21や公民館といった、いわゆる箱物と言われる施設が他の市に比べて多く、要らないものがあると思うが。

回答

 施設の見直しにつきましては、市民会館や文化センター等、いろいろなものを含めて行おうとしています。市民の方々のニーズに合うものは、これからも残し、維持経費をできるだけ削減し、有効に使えるようにしていきたいと思います。

発言

 市の職員の給与が5%カットされたというが、職員一人当たりの給与は、平成20年度で773万4千円。これは、普通の企業からすれば、非常に高額だと思うし、市長自身の給与も含めて見直して欲しい。

回答

 一にも二にも、人件費の削減。これは、非常に重要なことではありますが、物事には順序というのがありますので階段を一段ずつ登るようにやっていきたいと思います。さらに、日本には、議会制民主主義があるため、市民の代表である議会に諮らずに、市長の独断で決定することはできません。市長個人としては給料は半分でもよいと思っていますし、自分の退職金は半分にしました。しかし、これから特別職になる人や職員の生活のことを考えれば、徐々に人件費を下げていき、総人件費の歳出比率を下げていくしかありません。そのために、職員を減らし、自らボーナスや給与もカットします。人間は機械ではありませんので、やる気を保ちつつ働ける環境が必要で、いきなり給料を半分にカットするようなことはできません。公務員は法令を遵守していく立場の人間ですから、制度を無視して独裁的に断行することはできません。

発言

今後のタウンミーティングについては、今回のように、守口市の財政状況についてのみの質問しかできないというのではなく、広く市民の声を聴くという意味で、自由に質問できる場として、月に1回でも開催して欲しい。

回答

 タウンミーティングには、広報紙、ホームページ等、様々な報告の点で制約が多く、現在のような形式になっていることをご理解いただきたいと思います。

自転車駐車場の指定管理者の落札業者について

発言

 自転車駐車場の指定管理者が、なぜ最低価格よりも1千万円ほど高い業者が落札したのか。

回答

 市で契約をする場合、一番入札金額の低い業者と契約しますので、私の記憶する限りでは、そういうことはないと思います。念のために確認しておきます。

交通対策課の補足説明

 自転車駐車場等の公共施設の指定管理制度は、入札条件の合致と金額で決まる入札制度ではなく、「定量的評価項目」(金額)と「定性的評価項目」(計画性)の両方の総合評価点で指定管理者を決定する制度ですので、金額だけでは決定されません。

 なお、ご質問の1千万円という金額は、平成20年8月に公募した「守口市自転車駐車場の指定管理」の件と思われます。この時も指定管理制度を採用し、総合評価で指定管理者を選定しました。「定量的評価項目」だけをとらまえれば、次点候補者団体との金額差は1千万円ほど割高となっていましたが、指定管理者選定委員会の審査過程における手続きに公正公平を欠く取り扱いがあったことから、この件は採用されずに取り下げとなっています。

予算の使い方について

発言

 今までの行政の予算の使い方というのは、全部を使い切らないと翌年度の予算が減らされるので、予算が余らないように年度内に使い切っていたが、今後は、余ったお金は阪神・淡路大震災のような緊急時に備えて有効に使えるように、予算の1割は基金で貯めるといった条例を作って頂きたい。

回答

 現在は、守口市でも、全国の地方自治体でも、予算を使い切るのではなく、残していく方法で取り組んでいます。その結果、平成21年度決算では、4億3千万円の実質黒字の見込みで、2億2千万円ほど減債基金を積んで、借金を返していけるように計画しています。

街づくりと税収について

発言

 都市計画審議会に傍聴に行き、大日東町の都市計画大綱の中で、商業に特化した方が税収が上がるという説明があり、住宅は一切禁止するという決定があったが、どの程度、税収が上がるのか。

回答

 財政担当には、そういう税収のシミュレーションの話はございませんでした。

都市計画課の補足説明

 共同住宅の場合の住民税・所得税等と商業ビルの場合の事業所税等の税収比較については、設定条件次第で大きく結果が変わることから、それぞれの場合の土地の固定資産税、都市計画税について比較したところ、商業系の方が課税標準額が高いことから、税収が多いと考えています。

歳入総額について

発言

 歳入総額が、平成18年度には490億円、平成19年度には480億円、平成20年度には520億円、平成21年度には530億円と上がっているが、今の社会状況を考えると理解しにくいが、どういう観点から、こういう状況になっていくのか。

回答

 平成19年度は39億円の赤字になりました。平成20年度、平成21年度で、その赤字の解消に向けて、基金からの借入、退職手当債の発行等をさせて頂きました。それが歳入総額の欄です。平成20、21年度は税収以外に、そういう借金等々で歳入が増加しました。従って、実質収支が平成20年度は8億5千900万円の赤字が、平成21年度には4億3千万円の黒字になったということです。

発言者 職員の適正人員について

発言

 職員数の推移を見ると、年々減っているが、21年度は1,209名である。この人数は、府下市町村を含めて、適正な人数なのかどうか。現在の守口市の人口を考えると、何名位が適当なのか。

回答

 職員の適正人員については、1,000人を下回ることが第一目標ですが、根拠、将来計画共に未だに答えが出ていません。過去1,800人近い職員がいましたが、財政危機に伴って徐々に職員を減らしてきています。これから、職員、組合との議論を経て、適正な人員及び配置を決定していきたいと思います。

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